野良猫ちゃん



こんな寒い夜は特に思うの。

お外にいる猫ちゃんたちのことを。

お腹はいっぱいなのかしら?

ちゃんと寝る場所はあるの?

数時間だけ野良ちゃんを経験した、あたちにはその気持ちがよくわかるの。

運命というか、出会いというのかちらね。

あたち、見てくれがあんまり良くないから、それで捨てられたと思ってるのね。

そりゃ、仔猫の時ぐらい愛くるしい顔をしてなきゃ誰も拾ってなんかくれないわよね。

だけど、あたちは拾ってもらった。

真っ黒で目が何処にあるのかもわからない顔してたのに。

あたちの前を何人かの人が通り過ぎて行ったのよ。あの夜ね。

みんな見てるだけで行ってしまう。

怖かったな。このまま死んじゃうと思ったからね。

そう思った瞬間、あたちは暖かな人間さまの手の中にいた。

お母さんにはその時のあたちの声が聞こえたかちら?

「お願い!拾ってくだちゃい?」と小さな声で言ったのが?

猫ちゃんが生きていくのはかなり厳しいのよね。

早く拾ってもらわなければ必ず病気にかかってしまう。

そうなったら、たとえ飼ってもらっても何年も生きられないからね。

あたちは運が良かった。

それだけに今、野良猫ちゃんの一匹でも多く幸せになってほしいの。

今でも夜になると聞こえて来る時があるの。

仔猫ちゃんの鳴き声が。また、捨てられたんだね。

たまらない! 何とかしてやりたい。

でも、あたちにはどうする事もできない。

その先は、あんまり考えない事にちていましゅ。

あたちを捨てた時の気持ちってどんな気持ちだったの?

と言いたいけど、もういいでしゅ。

だって、今、あたちはこんなに幸せになれたもの。

もう、何とも思ってないでしゅよ。

でも、もう二度とちないでね。捨てるなんて事を。