ある雨の日曜日、2泊3日の旅行を終えた一家の車が

ちょうどバス停の前を横切ろうとした時

3匹のわんこが、前方からトボトボと歩いて来ました。

どう見ても、親子に見える。

可愛いミックス犬だ。 2匹の子犬は2ヶ月ぐらいだろうか?

こんな雨の中を子犬を連れて歩いてるなんて

きっと迷い犬か?

それとも見捨てられたのか?

まさか、まさかそんな事?

そんな思いを胸に一家の車は、バス停を後にした。

でも、本当はみんな、さっきのわんこの事が

気になっていました。

そして、30分も車を走らせたでしょうか?

誰ともなく、さっきの道へ引き返そうと言う事になったのです。

すると、もうわんこの姿はありませんでした。

一家は雨の中、車を降りあたりを見回しました。

でも、見当たりません。

きっと、帰る場所があったのね といい風に考えて

車に戻りました。 ちょうどその時偶然に

植え込みの中から、カサカサと音がし、見ると

さっきの親子わんこです。

とにかく、また会えた事に一家は喜びました。

そして、もうこのわんこ達には、家がない事も解りました。

実は、この一家のお家にもミックス犬の親子がいました。

犬好きの一家は暫らく考えていました。

でも、もう結論は出てるようなもの。

このままにしておけない。 保護してあげなくては。

だからと言って、この3匹を飼うわけにもいきません。

そして考えた末、せめて子犬だけでも養ってあげないと

とっても辛い選択です。

しかし不思議なことに、お母さんわんこは、じっと一家を

見つめて 「それでいいです。このコたちの事をお願いします。」

「私は大丈夫。 何とか生きていきますから」とでも言ってるかのように

優しい眼差しで見ていました。

一家は「ごめんなさい!」

「出来れば、あなたも一緒に連れて行きたいのよ。」

「解ってね!」

「そのかわり、このコたちの事は心配しなくていいよ」

そう言うと一家は2匹の子犬を車に乗せました。

その光景を、お母さんわんこは冷静な態度で、じっと見てました。

見ようによっては、ホットしたようにも見えました。

一家は車を出す際に、お母さんわんこに何度も詫びました。

「本当に、ごめんなさい!  ごめんなさいね!」

そして車を走らせ後ろを見ると、きちんとお座りをして

一家を見送る、わんこの姿が何とも言えず、みんなで泣いてしまった


罪悪感のようなものがあったから。

我が家にたどり着いたのは、もう夕方になってからでした。

子犬たちに、ご飯を食べさせ、雨で汚れた体を洗ってあげました。

我が家の先輩犬にもご対面です。

その夜は疲れたのか、子犬たちは早く寝てしまいました。

そして翌朝になり、昨日1匹残して来たわんこの事が

気になる一家は後悔していました。

なんで、あの時3匹一緒に連れて帰らなかったのか?

親子を引き離すなんて?

そう思うと、もう〜残して来たわんこの事しか考えられず

車を飛ばし昨日の道へと急ぎました。

でも、そう上手くはいきません。

わんこの姿は、何処にも見当たりません。

その後、時間帯を変えるなりして、わんこを探して廻りました


会えなければ、会えないほど後悔しました。

半ば、あきらめて子犬達を可愛がる事で気を紛わせていました。

それから、さらに一週間が立ち子犬達も家に

慣れ始めた頃、一家はもう一度だけ見に行って見ようと

あの場所に向かいました。

すると、どうでしょう〜 いたんです!

あの時のわんこが・・・・・・     いたんです!

あんなに探した時は、見当たらなかったのに。

一家の事を覚えていました。

尾っぽを振りながら、こちらの方に向かって来ます。

一家は、子犬達の無事を伝えると、わんこを

車に乗せ、我が家に向かいました。

「もう時期、会えるからね!」

お母さんわんこは、とっても大人しいコです。

まるで人間の言う事を理解しているかのように?

それから30分ぐらいして我が家に着きました。

約二週間ぶりの親子の再会です。

子犬達を見てペロペロ舐めるお母さんわんこ。

それにじゃれる子犬達。 可愛く微笑ましい光景です。

これで一家のわんこ達は先輩犬を入れて

5匹となりました。 とっても賑やかになりました。


お散歩も2匹と3匹に分かれて行きます。

そんな暮しが一年立とうとしてる時、一家はある事に気づきました。

何と、あのお母さんわんこが妊娠しているらしいと。

そして、お父さんになるのは、先輩犬の剛(ごう)です。


生まれて来る、わんこの行方は、もう予約済みです。

ご近所の方が、今回のわんこの素性を知っていて

わんこ達の幸せに協力したいからと言われて話は決ったのです。

お家も近くなので、いつでも赤ちゃんわんこに会えます。

一家は、思い返します。

あの時、もし親子わんこに出会ってなかったら?

どうなっていたんだろうか?

別の犬好きの人に保護されていたのかなぁ〜?

そう思うと、わんことの出会いは運命的なものを感じました。


おわり!